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さよならの蒼い帽子 [マラソン]

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遂にというか、ようやくというか。走る気力が戻ってきた。膝はそのままだが。



午後3時半。本日のやるべきことを終え、コタツに入りながらオヤツをぱくり。

コーヒーを飲んで、ちょっと一息。そのままいつものように横になる筈だった。

だけど、今日は違った。もの凄く走りたい衝動に駆られた。

基本的に土日に走るのなら午前中、それも早朝から走るのが好きな僕。

午後3時過ぎから走ることなんてそうそう滅多に無い。しかも今日は強風。温度は2℃。

すばやく着替え、軽くストレッチ。腕にはGPS時計をはめ、片耳にイヤホンを付ける。

そして、外は強風だというのに何故か使い古された紺の帽子を被っていた。



この帽子、近所のホームセンターで500円くらいで買った名も無きメーカーのものだ。

走ることをはじめた時に購入したものであり、ただ単に安さにつられただけ。

彼(帽子)に与えられた使命はふたつ。汗止めとして機能してもらう。そして、直射日光から僕を守ってくれればいい。それだけだ。


彼は頑張った。くる日もくる日も汗止めとして働き、陽が出ているときは日光を遮ってくれた。

特に昨年の夏。月の走行距離200kmを突破した功労者のひとりと言っても過言ではない。彼無しでは志半ばで倒れていたかもしれない。ある意味、戦友のようなものだった。


だが、無理がたたった。酷使しすぎた。

あまりにも汗を吸収しすぎた結果、洗っても洗っても臭うようになっていた。

そう、あの古くなった柔道着のような、生乾きの雑巾のような、そんな臭いだった。

もちろん、よく洗ったし、よく乾かした。部屋干しトップだってファブリーズだって試してみた。

だけど症状は一向に改善されなかった。

被って少しでも汗をかくとあの臭いがしてくるのだ。

これ以上は被ることはできん。

最後の洗濯後、そっとタンスの奥にしまっていた。



今思えば、そんな彼がモチベーションが降下していた僕に最後の活を入れに来たのかもしれない。

だけどその時は無意識でこの帽子を被っていた。正直、存在を忘れかけていた。もう捨てた思っていた。

臭いのことだってもう忘れていた。

だけど走り始めて30分後、あの臭いが舞い戻ってきた。全ての記憶も戻ってきた。

恐る恐る彼を取り、鼻に近づけてみる。

間違いない。犯人はこいつだ。



僕のやる気スイッチを入れてくれた事に感謝している。今までの功績にも感謝している。

だけど、非情な僕は彼に本当の戦力外通告を伝え、次の月曜日に出すビニール袋にそっと入れるのであった。


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井出浩一

彼を捨てるなんて僕にはできない...ではないんですね(笑)

いや、しかたないです。彼はがんばりました。お疲れ様。

面白かったです。
by 井出浩一 (2013-02-17 05:46) 

mark3

井出さん

コメントありがとうございます。

もう使い道が無くなってしまいましたからね。第二の人生があれば良かったのですが(雑巾とか:笑)

本当に頑張ってくれました。ありがとう!



by mark3 (2013-02-17 21:20) 

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